開催概要
■名 称 :絆で結ぶ美の百萬石 復興応援チャリティー展
■日 時 :2024年7月26日(金)~28日(日)
■会 場 :石川県産業展示館2号館
■主 催 :国際総合芸術交流協会International Association of General Art [IAGA]
■企画運営 :株式会社20G
■後援協力 :石川県金沢市/一般社団法人石川県芸術文化協会/北國新聞社
HAB北陸朝日放送/MRO北陸放送/ヒコシンラボ株式会社/Pista
■特別協力 :御陣乗太鼓保存会/株式会社金銀箔工芸さくだ
文化芸術の持つ力とは
今年の元旦に発災した能登半島地震は、まさに一家団欒の時を直撃した震災でした。
あれから半年、「もう」という思いと「まだ」という思いが複雑に交錯するものでもあります。
この半年近く、被災された方々はそれぞれの現実と向き合いながらいろいろな困難に立ち向かわれてきたことでしょう。
ここ日本では毎年のように天災によるニュースを耳にします。そのたびに無力感や文化活動を行うことへの後ろめたさを感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし、文化芸術の持つ力を信じて、アートによる復興支援や募金活動、支援活動への寄付や助成を、多くの個人や団体、企業が次々と立ち上がり、それぞれの立場で被災者支援のためにアートにできることを模索しながら実践しています。
今回、会場となった石川県産業展示館がある金沢市は、能登地方と比べて比較的被害が少なく本チャリティー展を開催する事が出来ましたが、被害の大きい地域では、未だに手付かずのまま、一向に再建が進んでいない場所もあります。
また、一時的に避難生活を送る中で、新しいコミュニティーが形成され、元の地域に戻ることが難しくなったり、それにより奥能登地域の過疎化がさらに進んでしまうのでないかといった将来的な心配も生まれてしまう現状です。
それでも、困難な状況でがんばっている被災地の皆さまが、少しでも平穏な日常を取り戻せるよう、心に少しの安らぎを感じていただけることを祈念し、開催いたしました。
石川県産業展示館
―「災害関連死を何としても防がなければならない」― 能登半島地震の被災者を一時的に受け入れる1.5次避難所として、石川県災害対策本部員会議で指定され、最大で710人を受け入れ復興の重要な拠点として使用されました。
西部緑地公園内にある複合施設で、陸上競技場や野球場に囲まれた緑豊かな環境に恵まれています。
施設は1から4号館の棟からなる展示館と屋外展示場があり、あらゆる形態の催事に使用できる県内最大規模の施設構成となっています。
国際見本市、物産展、コンサートなど多目的に使用され、幅広い層に人気のある本会場において、〝がんばりまっし石川〟を合言葉に復興の輪を広げる発信地として開催されました。
27日(土)には、夏の甲子園に向けて石川県大会の決勝戦が行われ、酷暑の中、球児を応援する大きな歓声が響いていました。
石川県内でも復興の拠点として利用された施設でのチャリティー展ということもあり、
改めて震災での教訓や、復興に向けての想いを多くの方々と共有し、未来につなげていければ幸いです。
セレモニー
本チャリティー展開催中日の27日(土)午前11時から、会場内にてご来賓の方々とお力添えいただいたアーティストの皆さま、関係者の皆さまにご参加いただき、開催のセレモニーが行われました。
石川県議会議員 太郎田まり様
「絆で結ぶ美の百萬石 復興応援チャリティー展」の盛大なご開催誠におめでとうございます。
まずは関係各位の皆様に心から感謝申し上げます。
この催し物に全国から様々な幅広い年齢層のアーティストの皆様、才能ある芸術家の皆様がお力添えいただき、多彩なジャンルが一同に介してのアートの競演となりました。
今年の元日に、だんらんのひと時を一瞬で奪う言葉では表せないほどの大災害がありました。
石川県、石川県議会、石川県民が心を一つにして被災地の復興にむけて動いている中、このような全国のアーティストの皆様に作品をお寄せいただき嬉しく思います。
芸術というものは私たちに勇気を与えてくれる、心を一つにしてくれるものだと思います。
発災から今日までいろいろな方が、炊き出しやインフラの整備などにお力をかしていただきましたが、これからはこういった文化芸術が、被災者の皆様の心を癒すものだと思います。
被災地の皆様は仮設住宅での生活が始まりましたが、地域のコミュニティーも一変してしまいました。
そこでこのような芸術に触れていただくことで、心が癒され元気になっていただけるのではないか。心と体は一つです。心の健康は体の健康。これ以上災害関連死のような痛ましい出来事が起きないよう、皆さまのアートのお力を被災者の皆様に送っていただければと思います。
本日はご来場いただいた皆様と共に、アートの持つ無限の可能性を感じ、力強く能登地域の皆様が前進していただくことを祈念いたします。
今こそアートの持つ力を皆様に届けていきましょう!」
石川県美術文化協会理事 丹羽俊夫様
「1月に起きたこの大震災。石川に親戚のおられる方もいらっしゃるでしょう。元旦ということもあってみんな休みでした。筆舌に尽くしがたい惨状でしたが、地元紙は2月から毎月1日に特集を組み、この教訓を後世に伝えるべく、尽力してくれています。天災は忘れたころにやってくるといいますが、皆様もどうかこの機に備えをしていただきたいと思います。
私の知り合いの芸術家も被災し避難していましたが、それでも制作は続けると、その気持ちが一番大切だと。
この場をお借りして全国のアーティストの皆様に感謝を申し上げるとともに、皆さまの作品を拝見しながら、我々石川県の芸術家も前を向いて、頑張っていきたいと思います。」
石川県指定無形文化財「御陣乗太鼓」保存会の皆様
「元旦に起きた地震により我々も被災しました。一時は白山市の楽器店に太鼓や約400年に渡って継承されてきたお面を保管していただき、今は自分たちの原点である名舟町に戻ることができました。仮設住宅も建ち住民たちも少しずつ戻りつつあります。まだまだ復興には時間がかかるとは思いますが、太鼓を通して、頑張っていきたいと思います。」
こども食堂
本チャリティー展に寄贈いただいた一部の作品と皆様からお預かりした義援金は、金沢市内で活動する「笑顔のこども食堂ネットワーク-GOHAN-」代表 安藤俊也様に贈呈いたしました。安藤様より県内のこども食堂各所に配布していただきます。
あとがき
結びに、アートは人間の感性や情感に直接働きかけることのできる唯一の手段とも呼ばれています。震災からの復興を目指す北陸の皆様に、少しでも安らぎを感じていただければ幸いです。関わっていただいたすべての方々に深く感謝申し上げます。
誠にありがとうございます。